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July 14, 2006

「グロテスク」

グロテスク

10年ほど前に起きた、実際の殺人事件をモチーフにした作品。
現実の事件の方は、当時かなりセンセーショナルに報道されたので、記憶してらっしゃる方も多いのでは・・・?

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主人公の「わたし」には絶世の美女の妹がいる。そんな妹から離れるために、「わたし」はQ女子高へと進学する。大学までのエスカレーター式であるQ女子高は、歴然とした階級社会。財力があり華やかな初等部からの生徒がもっとも偉く、優秀な中等部からの生徒がそれに続く。高校からの生徒はダサく、ガリ勉で「外部生」と呼ばれ、下から進学してきた「内部生」との差は歴然としており、ふたつのグループの間には大きな壁がある。
「わたし」と同じ外部生の和恵は、なんとか見下されない存在になろうと、内部生をまねてもがき苦しむ。しかし、自慢の成績の方も、中等部出身のミツルには敵わない。
そんなある日、妹のユリコが中等部へと編入してくる。

そして20年後、ユリコと和恵は娼婦となり、殺害される・・・

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↓で書いた、「読みたかった桐野夏生の本」っていうのがコレです。

この本では、殺人事件の出発点が、3人の高校時代にさかのぼるとして、高校時代の話がかなり丁寧に描かれており、全体の1/3くらいを占めます。
この高校時代の話は、個人的にいろいろと思うことがあり・・・
共感する点もあり、高校時代を懐かしく思う点もあり、そして、、「それは絶対違うでしょ!」と思う点も。かなり感情移入して読んでしまいました。


物語の方は、その後なぜ和恵が娼婦となったかについてが、和恵の手記の形で綴られていく。
ここからが、本当にすごい。容赦ない。和恵の心が壊れている過程が、本当にすさまじい。怖い。
amazonの書評などに書いてる人多いけれど、読後感サイアク(私は↑の理由により、複雑な気分だし)。なのに、読んでしばらく、この小説の世界に支配されてしまう・・・とにかく、メチャメチャ疲れた(<=仕事の締め切り迫ってるのに、ついつい読んじゃったし)。
↓のミロシリーズもそうだけれど、桐野夏生、本当に恐ろしい引力を持つ作家だ。最近立て続けにこの人の本を読んだので、しばらく辞めよう。なんだか、頭がおかしくなりそう・・・


実際の事件をモチーフにした小説って、イヤだな。怖いな。
ある部分は事実に即して書いていて、ある部分は全くフィクションで、ある部分は事実を誇張して書いている。読み手は、どこまでが真実で、どこからがフィクションなのか、分からなくなる。
もちろん、全部をフィクションだと思えればいいんだけれどねぇ。。。

とにかく衝撃的な本だったので、支離滅裂な感想で失礼。。。


それにしても、なぜこれが「このミス」にランクインするのか、やっぱり不思議。明らかに「ミステリー」じゃないし・・・

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Comments

え~!!!読みたい~!!!
ねえねえ、来週、貸して~!

Posted by: みき | July 14, 2006 at 11:59 AM

えっ、この本そういうわけであんまりオススメではないけど・・・持って行くよ~。
気力と体力に余裕があるときに読んでみて。
私はある理由から読んでみたかったんだよね。詳しくは会ったときに・・・

Posted by: みちこ | July 14, 2006 at 07:17 PM

こちらでは。。はじめまして(^0^)アハッ
みちこさんの文章が上手だから、私まで「グロテスク」に興味が湧いてきちゃったわっ♪

この2年と数ヶ月は新しい家族に現をぬかして(^^;)本を読む機会がなくなりました。。。この頃、2冊ほど読んだから「この調子で!」引き続き読み始めようかなっ。

忙しいみちこさん!こんなにたくさんの本をいつ読んでるの???なぞです。

Posted by: いず♪み | July 17, 2006 at 11:22 PM

>いず♪みちゃん
いらっしゃいませ~!
え~っ!この本ホントに暗い、つらい、グロい(スプラッター系というわけではない)の3拍子で、読んでてしんどいので、あんまりオススメしないって書いたつもりなんだけれど、読みたい人が続出なのが不思議。ある意味、私の文章力に問題が・・・?

今↑のみきさんに貸しちゃったんだけれど、帰ってきたらいず♪みちゃんにもお貸しするわ~。でも、ホント気が滅入るので、気分のよいときに読んだ方がよいよ。

本ねぇ、私の場合病気ですから!読まずにいられないの。
最近忙しくて全然読む時間が取れなくて、これでも読書量はがくんと減ったよ~。

Posted by: みちこ | July 19, 2006 at 10:21 AM

昨晩、読み終えました・・・。
ただ一言・・・
「絶句」
読み始めは、「ワーイ!強烈だけど、おもしろーい!!!フムフム。その気持ち、わかる気もする~!」とわりと気軽に読んでいるうちに、だんだんと・・・え?げ?ひえー!ふにゃー!おー!!!世界が・・・世界が・・・いくらフイクションだといえ、半分近くは実際のことなんでしょ?恐ろしい・・・。

特に、中国国内のあの移動中のできごと・・・。私は、日本人で、そして、今の時代に生まれて至極ほっとしたよ・・・。

きわめつけは、the very end!ドワーン!!!ショック!!!蛙の子は蛙なのか???血は争えないのか???

はてさて、この本の順番をお待ちの方が続出・・・とのことで、いつお返ししませうか?

Posted by: みき | July 27, 2006 at 12:34 PM

そうなんだよね。
前半は納得できない部分も多々あるにせよ、共感できる箇所もたくさんあるけれど、後半強烈よねぇ。それに、私は最後に登場するあの方は不要と思いましたけど。
よろしかったら、実際の事件について書かれたノンフィクションもお貸しするよ<=グロイといいつつすっかりはまってしまって、それも買っちゃったの。

予定が合いそうなら、火曜日に取りに行くよ。また連絡します!

Posted by: みちこ | July 27, 2006 at 10:37 PM

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